青森県遺族連合会

公益社団法人 青森県遺族連合会
令和3年度事業計画

昨年は、世界中に蔓延した新型コロナウイルス感染症に翻弄された一年となったが、未だ収束の目途は立っていない。この未知なるウイルスに対し、あらゆる手立てを講じ、その対処に当たっているが、今後も、国民一人一人が自覚を持ち、政府とともに、この国難に立ち向かっていかなければならない。

「戦後75年の節目の年であった昨年の8月15日、開催さえ危ぶまれる状況下で、天皇皇后両陛下は全国戦没者追悼式にご臨席なされた。天皇陛下は戦没者とその遺族に対し、「戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民とともに、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と述べられた。

戦後生まれの両陛下が世界の平和を願い、国民とともに歩もうとしていることに思いをいたし、私たち遺族会は戦争の悲惨さ、平和の尊さを社会的責務として後世に語り継いでいかなければならない。

戦後生まれが8割を超え戦争の記憶が風化する今日、戦争の悲惨さや平和の尊さを人々に訴えかけるには、容易ではなく大変な努力が必要である。しかし、歴史は日々の積み重ねであり、戦後生まれの天皇皇后両陛下が、我が国の安寧と世界の平和を願い、歩みを進められていることに思いをいたし、私たち遺族会は、これからも平和な社会の構築を担う活動を次世代に繋いでいかなければならない。

英霊顕彰の根幹である内閣総理大臣の靖国神社参拝は、一部の近隣諸国に配慮し、参拝が途絶えていることは誠に遺憾に堪えない。国の礎となった英霊に尊崇の誠を捧げるため、国の代表である内閣総理大臣が靖国神社に参拝することは当然であり、参拝の定着に向け、引き続き運動を推進しなければならない。

青森県護國神社は県民護持の神社として、一昨年、青森縣護國神社創建150周年記念事業として各種事業を実施し、6月の記念祭、祝賀会で無事終了しました。

今後とも、英霊顕彰を推進する上からも、各市町村遺族団体の協力を得ながら、護國神社への団体参拝を推進していく。

処遇改善運動については、戦没者遺族、特に近年高齢化著しい遺族に対する公務扶助料・遺族年金等は他の公的年金とは性格を異にするもので、あくまでも国家補償の理念に基づき改定されるべきである。

昨年には、第11回特別弔慰金の申請が始っており、対象となる遺族会員にスムーズに手続きが進められるよう、さらに呼びかけて行きたいと考えている。

本年、青森県遺族連合会は公益社団法人へ移行して8年目を迎えるわけであるが、当連合会は、英霊の慰霊・顕彰等を行い、平和の尊さを後世に伝えることにより、日本と世界平和の確立に寄与するとともに、戦没者遺族の福祉の増進を図ることを目的としている。この目的達成のため組織化された「青年部」の活動に期待し、可能な限り支援する。

ここに令和3年度の活動方針・事業計画を策定し、今後とも会員及び関係各位のご協力を得ながら、本会一丸となってその推進を図り懸案事項の解決に邁進します。

Ⅰ 活動方針

1 英霊顕彰運動の推進

私達が今日、平和と自由の恩恵を享受できるのは、戦没者の尊い犠牲がその「礎」になっていることを国家、国民は決して忘れてはなりません。

総理の靖国神社に参拝は平成25年12月から途絶えています。残念です。総理、閣僚には是非とも靖国神社を参拝していただくとともに参拝定着化に向けて一層の努力を傾注する必要があります。

また、本県にあっては、知事・県議会議員・市町村長等の青森縣護國神社への参拝は、年々増えているものの、引き続きの参拝要請並びに参拝者増の実現を図ることとします。

2 処遇改善運動の推進

本会の最重点項目であった「特別弔慰金」については、自民党遺家族議員協議会の先生方等のご尽力により継続したうえで、第11回特別弔慰金の申請手続きが開始されております。

公務扶助料等受給者が失権した場合、速やかに特別弔慰金が支給されること等の支給要件の見直しについて検討することを要望していきます。その他、本会の要望事項の完全実現を図ります。

3 組織の拡充強化

高齢化が著しい中にあって、本会の使命である、英霊の顕彰と戦没者遺族の福祉の向上は今後も推進していかなければなりません。これまで、組織の活動主体として遺族会活動の推進を図ってきた「女性部」に加え、活動の一翼を担えるよう平成28年度「青年部」を設立しました。今後とも青年部自立に向けた支援、指導、育成に努めるとともに引き続き新会員入部を促進します。

特に、後継体制の整備推進に当たっては、大黒柱を戦争で失った戦没者遺族の家庭において、子育てをはじめとした家庭全般の中心軸として働いてきた戦没者遺児の妻の役割は誠に大なるものがあります。

引き続き特別弔慰金受給者、慰霊友好親善事業及び遺骨収集事業のみの参加者に対して、積極的な働きかけを行い、新たな会員として入会を要請し組織の充実に努めます。

組織活動の維持には、財政の確立が不可欠であります。社会情勢の変化に対応した組織の拡充強化に努め、あらゆる方途を講じて資金の確保に努めます。

4 慰霊巡拝事業の推進

昨年は新方コロナウイルス感染症の影響により全ての地域での慰霊友好親善事業が中止となりました。

青森県遺族連合会は、感染症の終息を願いつつ、引き続き会員の慰霊友好親善事業をはじめとした海外慰霊巡拝事業への参加を推進します。

また、各種慰霊巡拝事業の趣旨、意義について、会員への理解を深めるとともに事業への参加促進を図ります。

5 社会奉仕活動の推進

青森県遺族連合会は、これまでの青森縣護國神社への関与の経緯からして、また、英霊顕彰の本県唯一の中核施設である青森縣護國神社が、本来の姿である「県民護持の神社として再生」を図り、神社が自立化するための環境整備に積極的に協力します。

このため、女性部を中心とした青森縣護國神社への奉仕活動充実と共に神社環境の整備等に向けた積極的な社会奉仕活動(ボランティア)の企画実施を展開します。

Ⅱ 事業計画

1 英霊顕彰運動

1. 各種追悼・慰霊事業への参加促進

本会の参加助成措置の充実を図り、以下の英霊顕彰事業の活性化を推進します。

  • 第58回沖縄「みちのくの塔」慰霊祭の挙行
  • 政府等主催海外慰霊巡拝事業(厚生労働省主催事業、財団法人日本遺族会主催事業)への支援による参加の促進
  • 青森縣護國神社例大祭・永代神楽祭・春分祭への参列
  • 全国戦没者追悼式への参加
  • 青森県戦没者追悼式への参加
  • 市町村戦没者追悼式・慰霊祭等へのメッセージでの参加

2. 総理・閣僚の靖国神社参拝の継続定着運動の推進

内閣総理大臣が国を代表して靖国神社に参拝し、英霊に感謝と敬意と追悼の誠を捧げることは、独立国及び主権国家としての基本であり、極めて当然のことです。
本会は、一般財団法人日本遺族会とともに引き続き関係諸団体と連携を密にして、総理の参拝定着に向け引き続き努力します。このため以下の運動を推進します。

  • 靖国神社への参拝について、公益社団法人青森県遺族連合会理事長名及び市町村遺族団体会長名で、総理に対してハガキ、FAX又はメールで8月上旬までに総理官邸に要請します。
  • 英霊にこたえる会など他団体と協力して世論の喚起に努め、総理及び閣僚の参拝に対する環境整備を行います。
  • 本県は、青森県連会長の江渡聰徳衆議院議員をはじめ地元選出自由民主党所属国会議員は、全て「遺家族議員協議会」に入会している。
    引き続き「遺家族議員協議会」との連携のもとに運動を進めます。
  • 本県選出の自由民主党所属国会議員は全員「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に入会しています。今後も参拝要請を強く行っていきます。

3. 知事の護國神社参拝

歴代知事が参列してきた青森縣護國神社例大祭への青森県知事の参列が三村知事で中断することの無いようあらゆる機会を通じて知事へ要請を行います。

4. 青森縣護國神社の「県民護持の神社への再生」及び神社の維持運営の自立化の推進

青森縣護國神社内に英霊顕彰資料保管室を設置し、遺品資料等の展示を行っており、展示資料の充実を図るともに、来館者の増進策を含め、「県民護持の神社への再生」及び神社の維持運営の自立化を図ります。

5. 国立の追悼施設建設構想の阻止について

靖国神社は、戦没者と遺族をつなぐ我が国唯一の追悼施設であります。靖国神社に代わる新たな国立の戦没者追悼施設新設構想が再燃すれば今後、他団体と協力して断固新設の阻止を図ります。

6. 憲法改正と正しい歴史観の確立

英霊顕彰運動の不安定な状況の改善を図るため、憲法改正等により制度化を図ります。また、日本を一方的に断罪し自虐的歴史観である「東京裁判史観」の払拭と大東亜戦争の正しい歴史観の確立に引き続き努力します。

7. 市町村における慰霊祭の実施

慰霊祭は遺族だけのものでなく、英霊の顕彰実施は地方自治体として永遠の責務であることから未来永劫実施することを求めます。なぜなら英霊は、国の平和とふるさとの平安、そして家族の幸せを願って戦没されたのです。
遺族や地域住民はこれらに積極的に参加協力する権利と義務があります。
今後は孫・ひ孫等の参列を一層促すとともに、慰霊祭を催す際には、家族そろって慰霊碑等の清掃奉仕を行う必要があります。

8. 靖国神社等との連携

戦没者およびその遺族と表裏一体の関係にある靖国神社へのより一層の理解を深めるため、今後とも遺族会員に靖国神社参拝呼掛けを連合会として継続します。

9. 友好団体との連携強化

公益財団法人青森県護国神社奉賛会、英霊にこたえる会青森県本部、青森県神社庁、日本会議青森県支部等とも連携し、英霊顕彰精神の啓蒙を図ります。

2 戦没者遺族の処遇改善運動

青森県戦没者遺族大会の開催、「全国戦没者遺族大会」への参加等を通して次の運動を推進します。

1. 公務扶助料等の改善

受給者の高齢化等を考慮し、引き続き国家補償の理念に基づき改善が行われるよう運動を推進します。

2. 特別弔慰金の支給範囲の拡大

公務扶助料等受給者が失権した場合、特別弔慰金の速やかなる支給とともに支給範囲の拡大について制度化されるよう運動を推進します。

3. 老人福祉事業の実施

本会組織の中心的役割を担って活動して来られた下記高齢会員に対し記念品を贈呈し長寿のお祝をします。
大正9年生まれ(100歳)の遺族会員
(注 各市町村遺族会は、6月末までに該当会員の氏名、生年月日、性別を事務局に報告してください)

3 組織の拡充強化

組織の後継者である戦没者遺児は組織の中心的役割を担うことを自覚し、各種慰霊祭、遺族会事業への参加、会費の徴収、機関紙の配布等々、積極的に支部の活動に参加協力するのは勿論、各種事業に戦没者の孫・曾孫等と一緒に参加するなど、新たな後継者づくりに努めます。

  • 女性部に女性遺児の参加を積極的に要請し、その活動を通じて市町村遺族団体女性部の充実と後継者の育成に努めます。
  • 青年部自立に向けた支援指導並びにリーダーの育成に努めるとともに、引き続き新会員入部に努めます。

    青森県護国神社奉仕活動及び市町村追悼式等への参加協力を呼びかけます。

  • 「全国戦没者追悼式への参加者の内、18歳未満の者には5,000円助成
  • 財源の確保

    令和3年度市町村遺族団体賦課金の設定にあたっては、本会の厳しい財政状況から協議したが、市町村遺族団体も厳しい状況にあることから、令和2年度と同額とした。
    現行の財源は運営強化調整資金の運用を中止、解約した現金を活用し運用するが、活動の継続を考え、年度毎に限度額を設定し対応する。
    そのことにより、事務事業の見直し、縮小等を一層進めて対応する。
    加えて活動継続のための新たな基金の造成を会員に広く呼掛けていく。

  • 市町村遺族会事務局との連携強化

    組織の拡充強化は、連合会を構成する市町村遺族団体に負うところが大であります。このため、連合会事務局と市町村事務局相互間の連携の強化を推進します。

  • 広報活動の強化
    • 本会の運動や組織に対する理解と協力を得るため、さらには情報伝達の徹底を図るため、年1回発行する機関紙「ときわ樹」のより親しまれる紙面づくりに配慮し、遺族会活動を分かりやすく伝えることに努め、会員の理解と意識向上につなげます。
    • 昨年度から始めたホームページの充実を図り、今まで以上に情報提供、存在意義の重要性を広めていきます。
    • 街宣活動強化のため津軽地区、下北地区の2地区を指定し、広域に宣伝活動を行います。
  • 研修活動の強化

    昨年はコロナウイルス感染症の影響により実施できませんでしたが今年は時期を見て、中央研修会を青森市周辺で行い、研修会等の充実強化を図ります。

4 社会貢献活動

「女性部」を中核に、青森縣護國神社県民護持への再生協力を中心とし、青森縣護國神社への奉仕活動を継続的に参加協力し、青森県遺族連合会の今後の社会貢献参加の推進方策の検討を進めます。

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